>>689の続き

 「日本を大きく変えてほしい」。議員秘書の経験から、投票はとっぴなことと捉えられるのは
分かっていたが、思いを込めて1票を投じた。すると、予想以上の反響があり、男女を問わず
多くの声が寄せられた。「年齢や性別だけで選んだ」「本気でやるなら仲間を集めるべきだ」との
批判もあったが「曇りのない説明ができる人に票を投じた」と後悔はしていない。

 自民党の橋本聖子男女共同参画担当相も会見で「首相や閣僚、あらゆる役職に女性が
当たり前に起用されることが望ましい。(1票は)これからの世代に第一歩をしるした」と同調した。

 当の伊藤議員は「思いも寄らないことで本当に驚いたが、永田町、社会に投げ掛けた重い一石」と
真摯(しんし)に受け止めている。育児と議員活動の両立や選挙などさまざまな「女性議員の壁」を
感じてきたのは寺田議員と同じだ。今でも周囲の議員から「伊藤総理」とやゆされるのが歯がゆいが
「当事者感覚を大事に、寺田さんと一緒に社会を変えていきたい」と話す。

 寺田静参院議員が首相指名に関する思いをつづった9月16日のブログの抜粋は、次の通り。

 その政治家としての生い立ち、子どものために社会を変えたいというところに心から賛同しますし、
私自身の思いと重なるところがあります。加えて、議員としての強さと確固たる覚悟、フットワークの
軽さなど、こうありたいと心から思う尊敬出来る先輩議員です。

 40代の女性議員が総理にと、歴史ある国会において奇異なことと映るかもしれません。
ただ、諸外国を見渡せば、既に30代、40代の女性たちが首相に就任しています。
 生きづらい社会が、私たちの前には横たわっています。(日本の問題は)少しずつですが前進は
しています。ただ、諸外国はその10倍20倍のスピードで社会の仕組みを変えていきました。
そこには問題に正面から向き合うこれからの世代、女性たちの姿がありました。

 私が問題意識を持っているさまざまな課題は、女性が意思決定の場に増えれば確かに
変わっていくことだとの思いが強くなり、今回の投票につながりました。前例や慣例を重んじる
今の政治において、私の投票行動を快く思われない先輩諸氏がいらっしゃると思います。
それでも、私は、伊藤さんに日本を大きく変えていってほしい。理想とする総理大臣の姿を
思い描き、1票を投じました。