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トランプ氏は徹底抗戦 万策尽きれば「引き際」が問題に
2020.11.8 09:07

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は、大統領選で民主党候補のバイデン
前副大統領が当選を確実にしたことに関し、7日の声明で「選挙は終了には程遠い」と
主張し、週明けの9日から訴訟攻勢や再集計要求を通じて徹底抗戦していくと表明した。

 ただ、トランプ陣営は、集計結果を覆すような「大規模な不正」があったことを示す
具体的な証拠や、説得力のある根拠を示すに至っていない。

 トランプ陣営は激戦州の東部ペンシルベニア州で適切に点検されなかった投票用紙が
何万票もあったと主張している。

 こうした票の再点検が認められて不正の証拠が見つかる可能性は非常に低いが
ゼロとはいえない。トランプ氏には集計で不正を疑っているのであれば
裁判所に訴えて真実を探る法律上の正当な権利がある。

 だが、法廷闘争や再集計を経て、選挙結果は動かないことが判明し
「万策尽きた」状態となった場合、トランプ氏は敗北を受け入れ、
円滑な政権移行に向けて次期政権に協力し、世界最大の超大国の選挙制度の完全性を
維持するとともに、民主政治を機能させ続けていく責任がある。

 トランプ氏が強気な姿勢でいるのは、同氏の得票数が2008年大統領選で勝利した
民主党のオバマ大統領を上回る7000万票以上を獲得し、
自らの支持基盤の拡大に成功したとの自信があるためだ。

 それだけに、トランプ氏が4年後の大統領選への出馬をにらんで
政治生命を維持したいのであれば、ある時点で潔く身を引くことが必要だ。

 1960年大統領選で敗北した共和党のニクソン副大統領は、南部テキサス州などで
不正投票の疑いが浮上して対応を迫られた際、「再集計をした上で敗退すれば
『負けっぷりが悪い男だ』と非難され、今後の政治生命を閉ざされる」と判断し、
対立候補の民主党のケネディ上院議員に敗北を認める電報を打った。

 ニクソン氏は結果的に68年の大統領選で当選を果たした。
そして、トランプ氏がこの逸話から得られる教訓は多いように思う。

https://www.sankei.com/world/news/201108/wor2011080019-n1.html