■左派からも批判浴びる

バイデン氏の伴走者として、ハリス氏を「モンスター」や「共産主義者(事実ではない)」
と呼び、バイデン氏を極左の政策で洗脳するだろうと示唆するトランプ氏から連日攻撃
を受けた。左派からは州司法長官時代に刑事司法改革であまり進歩的ではなかったと批
判された。

党内の急進派ライバルに比べると大企業に甘いとも追及された。義弟のトニー・ウエス
ト氏は米ウーバーテクノロジーズの幹部で、夫のダグ・エムホフ氏は大手法律事務所の
パートナーだった。エムホフ氏はユダヤ系として初めて副大統領の配偶者になる。

ジェラルディン・フェラーロ氏、サラ・ペイリン氏に続く米二大政党でわずか3人目の
女性副大統領候補として、ハリス氏の一部の支持者が性差別的で人種差別的だと受け止
めるほどの集中攻撃を浴びてきた。ペンス副大統領との討論会で発言の時間を確保し、
遮られないよう反論した際の(にこやかな)表情でさえ批判の対象になったという。

大学時代からの友人であるソニア・ロケット氏は、ハリス氏は政敵が「怒れる黒人女性」
のレッテルを貼ろうとしていたことを十分承知していたと話す。ロケット氏は「敵の罠
を見事にかわした」と称えた。「黒人や有色人種の女性にとって攻撃をかわすのはいつ
ものことだから」By Courtney Weaver
(2020年11月8日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/