■拉致問題「トランプ氏には大変感謝している」

 −−トランプ氏は、北朝鮮による拉致問題に強い関心を寄せた。バイデン氏は「対北強硬派」との見方がある。
拉致問題の進展は期待できるか?

 「まず、トランプ氏は、私の拉致問題解決に関する考えを、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)
朝鮮労働党委員長との首脳会談で直接伝えてくれた。複数回にわたってだ。
米国はそれまで、北朝鮮との交渉は『核とミサイル』に絞っていた。米国の大統領として、ありがたい。
トランプ氏には大変感謝している」

 「バイデン氏は、米朝首脳会談には批判的な立場だった。トランプ氏も北朝鮮に圧力をかけているが、
バイデン氏はより圧力に重きを置くのではないか。私はオバマ氏との日米首脳会談で、何度も拉致問題について話した。
バイデン氏も同席していたので、日本が拉致問題を重視していることは理解しているはずだ」

 −−日米関係について、菅義偉首相にアドバイスを求められたら?

 「早い段階で日米首脳会談が行われればいいと思う。菅首相とトランプ氏の初めての電話首脳会談は話が弾んだと聞いている。
バイデン氏が大統領になったとしても、菅首相といい関係をつくれると思う。
いずれにしても、人間的な信頼関係を築いていってもらいたい」

 −−安倍氏は、どうやって各国首脳と人間関係を築いたのか

 「自分が何を考えているのかということを、相手に分かりやすく伝えていくことだと思う。
それと約束は守る。まさに誠心誠意だ」

 −−最後に現在の体調と、今後の活動を

 「新しい薬が、大変よく効いている。今後、8週間に1回のペースで、数回投与すれば終わる。
総理をやめて2カ月、なるべく静かなかたちで活動を再開していきたい。当然、菅政権を支える立場で活動していく」