※「飛沫核は3時間程度は感染性を有する」との報告もあるため、密室では感染のリスクが高くなります。よって、(触ることで付着する)手洗いや(密室性を回避する)換気の重要性が指摘されてるのです。

新型コロナウイルスは空気感染するって本当?医師が解説します。
https://www.clinicfor.life/articles/covid-048/

WHOは新型コロナウイルスに関する新たなガイドラインを取りまとめました。そのガイドラインによると、
「主に屋内で、混雑し換気が不十分な場所で新型コロナウイルスが空気感染することは無視できない」とし、空気感染の可能性を指摘しています。
これは、公衆衛生に関わる科学者などが新型コロナウイルス感染症の空気感染にまつわる情報をWHOにて提示して、これが取りまとめられて発表された形となります。
特に飛沫が微細になると長く空気中を漂って遠くへ運ばれるという見方を強めており、空気感染に対する対策も検討すべきという方向性になっています。

一般の人が分かりにくいのは空気感染と飛沫感染の違いではないでしょうか。ここからは空気感染と飛沫感染の違いについて詳しく解説していきます。

飛沫感染とは、こちらのサイトでもお伝えしてきましたが感染者くしゃみ、咳、つばといった飛沫と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することを言います。
WHOは、一般に言うと5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛まつ(約3,000個)が飛ぶと報告しており、新型コロナウイルスと飛沫感染の可能性については、早い段階から危惧されてきていました。

空気感染とは、感染者が飛ばした飛沫核(エアロゾル)を吸い込むことで感染することを言います。
飛沫感染の場合は相手の飛沫を吸い込まなければ感染しないため、距離をあけて会話をする、咳やくしゃみをする際にはマスクをしたりハンカチを口に当てたりするいわゆる咳エチケットをしていれば
飛沫は飛ばないので感染を回避できるという考え方でした。飛沫核というのはくしゃみや咳、つばといった水分が乾燥し、病原菌だけが空中に浮遊している状態と考えるとわかりやすいです。
ですので、感染者と離れた場所にいたとしても浮遊している飛沫核を吸い込むことで感染してしまうということになるのです。

飛沫核は非常に軽いため、屋外であれば風などによって巻き上げられ、吸い込むことは容易ではなくなります。
ですが、密閉された屋内や空調が悪く空気が流れていない、換気の悪い屋内などでは微細な飛沫(エアロゾル)に含まれたウイルスが数10メートル浮遊し、感染する可能性があるとしています。
また、アメリカの感染症学会の報告書では「換気の悪い室内では、地上1.5メートルの高さで感染者から放出されたウイルスを含んだ微細飛沫が、空気の循環で数十メートル先まで移動する可能性がある」と指摘しています。
特に飛沫核となってしまうと長時間の浮遊が可能となるため、感染のリスクも高まるといえます。

「飛沫核は3時間程度は感染性を有する」との報告もあるため、密室では感染のリスクが高くなるといえるのです。
現状、ソーシャルディスタンスとして相手とは2メートルほどの距離を取ることとしていますが、空気感染も含まれる場合、ソーシャルディスタンスとして推奨されている距離感では感染対策としては不十分であるといえるのです。

空気感染を防ぐためには、これまで通りのマスクの着用や消毒はもちろんですが、密閉した空間を作らないことが肝心です。窓を開けて常に換気をする、室内の空気循環を良くするといった空気の流れに着目されています。
公共交通機関などの長時間の利用を回避する、混雑の回避が空気感染を予防するために効果的であると考えられています。
日本の感染対策、特に国民がみんなマスクを積極的につけていることはWHOからも高く評価されています。
ですので、継続した感染対策の実施が、空気感染だけでなく新型コロナウイルの感染拡大を防ぐために必要となるといえるでしょう。