バイデン大統領ほぼ確実 菅政権に追い風 アメリカの対日政策はどう変わる トランプ主義は残る
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20201107-00206733/

日本や北朝鮮、核問題に詳しい有力シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)アメリカのマーク・フィッツパトリック前本部長(現研究員)にアメリカの対日政策がどう変わるのか尋ねました。

木村:オンライン雑誌ザ・ディプロマットは中国のミサイルとの均衡を保つため日本の琉球諸島とパラオが新しいアメリカの中距離ミサイルが配備される候補地だと報じています。この問題はバイデン次期政権下でどのように進むと思われますか。

フィッツパトリック氏:米国防総省の計画担当者は、新しい地上ベースの中距離弾道ミサイルと巡航ミサイルを配備するために、西太平洋のさまざまな基地オプションを模索しようとするかもしれません。
しかし、そのようなミサイルを日本やパラオなど外国のパートナーの領土に置くことについての議論は、現在そのような配備を好まない地元の態度や政治を認識する必要があります。
これを認識して、バイデン政権はおそらく、この地域の空中および海上巡航ミサイル能力と、中国のミサイルによってもたらされる認識された脅威を制限することを目的とした軍備管理とリスク低減措置の追求にさらに重点を置くでしょう。

木村:バイデン氏は環太平洋経済連携協定(TPP)に再び参加できると思いますか。

フィッツパトリック氏:米ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長グレアム・アリソン教授は今週、バイデン氏がTPPに再び参加することを望んでいるものの、民主党内の保護貿易主義者たちからの政治的挑戦に直面すると予測しました。
バイデン氏を支持した労働組合の多くは、トランプ氏がTPPから撤退したことを喜んでいました。一方、バイデン政権に加わる可能性が高いアメリカの外交政策専門家のほとんどはTPP復帰を支持しています。彼らが労働組合からの政治的反対を緩和する方法を見つけられることを願っています。

木村:アメリカの対中外交政策はどうなりますか。トランプ氏は貿易に焦点を当てています。バイデン氏は人権と気候変動を重視しています。上下両院とも中国の人権問題には非常に厳しい目を向けています。

フィッツパトリック氏:民主党員は、常に人権問題により大きな注意を向けています。
ですからバイデン氏が、中国の習近平国家主席による新疆ウイグル自治区のウイグル族弾圧や香港市民の自由を踏みにじったことをより強く非難することを期待しています。しかし結局、バイデン氏は貿易問題より人権を優先することはおそらくないでしょう。