世界のポピュリストが日本をうらやむ理由 閉鎖性、内向き志向で最先端
2020/10/28 10:30 (JST) 10/28 13:17 (JST)updated 株式会社全国新聞ネット
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> 国民の不満を見抜き、彼らの反移民感情をあおる同氏の言動は、典型的なポピュリストの手法だ。
>しかし、ポピュリズム系政党が多く存在する欧州が今注目するのはトランプ氏ではなく、日本だという。
>どういうことか。(文明論考家、元駐バチカン大使=上野景文)

> 要するに、競争が微温的、抑制的で、失業率が低く(「ゆでガエル経済」とも言われる)、
>外国人の受け入れに消極的な日本は、
>欧州のポピュリズム政治家から見ると「鑑(かがみ)」のように映るのだ。

> 「国をもっと閉じろ」と言う欧州ポピュリズム政治家の主張は、欧州諸国が「開かれている」ことが前提だ。
> この点、日本は、欧州に比べ閉鎖的で、「国をもっと閉じろ」というポピュリズム的要求は意味をなさない。
>欧州型のポピュリズム政治家が生まれにくいのは、日本の内向き志向が影響している。
> だからと言って、日本はポピュリズムとは無縁だと見なすのは誤りだ。

> 社会全般にわたり「ポピュリズム的土壌」(意識や文化)は濃厚だからだ。
>先に述べたとおり、「敗者を生まない構造」が温存され、岩盤規制が残り、
>外国人受け入れに制限的であることが、それを物語る。
> 自覚され、外形化されたポピュリズムはないというに過ぎない。
>「ポピュリズムなきポピュリズム大国」とも言えるのだ。

> 日本の内向き志向は、欧州のポピュリズム政治家から羨望(せんぼう)のまなざしを向けられる一方、
>時に「難民鎖国」とまで称されるほど消極的な難民受け入れ政策などは、
>リベラル派や海外メディアから繰り返し批判されてきた。
> 少子高齢化が続く日本が、今後も内向き志向を続け、孤立を貫くことができるかは疑問だ。
>このとき、欧州で起きたような過度なポピュリズムに走らないよう注意することが肝要だ。
> 安倍前政権は、内向き「土壌」の改革を試みたものの、途中で失速した。
>菅政権には、内向き志向からの脱却を期待したい。