バイデン氏は実務レベルでの交渉を追求することによって基礎を築きたいと思うでしょう。
スティーブ・ビーガン米国務副長官(北朝鮮担当特別代表)のような人物を改めて北朝鮮担
当特別代表に任命することを期待しています。この点についてのウワサは聞いたことがあり
ませんが、ビーガン氏自身がこの役割を続けても驚きません。


木村:バイデン氏は環太平洋経済連携協定(TPP)に再び参加できると思いますか。

フィッツパトリック氏:米ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長グレアム・アリソ
ン教授は今週、バイデン氏がTPPに再び参加することを望んでいるものの、民主党内の保護
貿易主義者たちからの政治的挑戦に直面すると予測しました。

バイデン氏を支持した労働組合の多くは、トランプ氏がTPPから撤退したことを喜んでいま
した。一方、バイデン政権に加わる可能性が高いアメリカの外交政策専門家のほとんどは
TPP復帰を支持しています。彼らが労働組合からの政治的反対を緩和する方法を見つけられ
ることを願っています。

木村:アメリカの対中外交政策はどうなりますか。トランプ氏は貿易に焦点を当てています。
バイデン氏は人権と気候変動を重視しています。上下両院とも中国の人権問題には非常に厳
しい目を向けています。

フィッツパトリック氏:民主党員は、常に人権問題により大きな注意を向けています。です
からバイデン氏が、中国の習近平国家主席による新疆ウイグル自治区のウイグル族弾圧や香
港市民の自由を踏みにじったことをより強く非難することを期待しています。しかし結局、
バイデン氏は貿易問題より人権を優先することはおそらくないでしょう。