フィッツパトリック氏:トランプ氏と異なり、バイデン氏は米軍への支援を巡って日本との
取引を行うことはありません。バイデン政権は、ホスト国の支援を増やすというトランプ氏
の要求を完全に放棄することはできませんが、交渉はより論理的に行われるようになります。

木村:オンライン雑誌ザ・ディプロマットは中国のミサイルとの均衡を保つため日本の琉球
諸島とパラオが新しいアメリカの中距離ミサイルが配備される候補地だと報じています。
この問題はバイデン次期政権下でどのように進むと思われますか。

フィッツパトリック氏:米国防総省の計画担当者は、新しい地上ベースの中距離弾道ミサイ
ルと巡航ミサイルを配備するために、西太平洋のさまざまな基地オプションを模索しようと
するかもしれません。
しかし、そのようなミサイルを日本やパラオなど外国のパートナーの領土に置くことについ
ての議論は、現在そのような配備を好まない地元の態度や政治を認識する必要があります。

これを認識して、バイデン政権はおそらく、この地域の空中および海上巡航ミサイル能力と、
中国のミサイルによってもたらされる認識された脅威を制限することを目的とした軍備管理
とリスク低減措置の追求にさらに重点を置くでしょう。

木村:バイデン氏は北朝鮮との交渉をどのようにリセットすると思いますか。

フィッツパトリック氏:北朝鮮の問題はトランプ政権下で悪化しました。トランプ氏は彼の
個人的な外交によって脅威が解決されたと偽って主張しました。バイデン氏ははるかに高い
一貫性と知恵で問題に対処しようとします。しかし、トランプ氏のトップダウン式外交は有
用な前例をつくりました。

共和党員はバイデン氏がトランプ氏と同じことをしても攻撃することができないので、バイ
デン氏は現在、トランプ氏と同様に北朝鮮指導者、金正恩氏に直接関与できる政治的な柔軟
性を持っています。バイデン氏が近いうちに金正恩氏に会おうとするとは思いません。