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韓国で「5G」離れ 56万人がLTE回帰
ソウル支局長 鈴木壮太郎 2020/10/30 0:00 (2020/10/31 0:03更新)日本経済新聞 電子版

世界に先駆けて高速通信規格「5G」を商用化した韓国で5Gの解約が増えている。サービス
開始から1年半がたつのに、今もつながるエリアが限られ、売り物の「超高速」をなかなか
体感できない。期待を裏切られた消費者がLTEに回帰しているのだ。

■「超高速」体感できず

「5GからLTEに切り替えた人は56万2656人に上る」――。10月7日。与党「共に民主党」の洪
貞敏(ホン・ジョンミン)議員が韓国国会の科学技術情報放送通信委員会の国政監査で明ら
かにした数字が話題になった。SKテレコム、KT、LGユープラスの通信3社の5G加入者は8月末
時点で865万8222人なので、6.5%に相当する。

洪氏は「契約の切り替えは手続きが面倒なのに、それでも5Gを解約するのは低品質と不十分
なカバー率、高い料金体系に消費者がうんざりしているためだ」と指摘。「通信事業者は5G
の品質と顧客満足度の向上に努力すべきだ」と注文を付けた。

韓国で5Gの商用サービスが始まったのは2019年4月3日。「世界初」の称号を米国と争い「米
ベライゾンより1時間以上早く始めた」(関係者)ほどのこだわりようだった。5Gを戦略産業
に育成したい韓国政府の強い後押しもあった。

■しぼむ期待
■政治問題に発展
■積極投資で不満解消を