https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65521220X21C20A0FF8000/
米入院患者、10月初めから4割増 中西部が中心
2020/10/27 19:30

米国では中西部のオハイオ州やノースダコタ州などを中心に新型コロナウイルスの感染者
が増えている。感染状況を分析するCOVIDトラッキング・プロジェクトによると、全米の
入院患者数は26日時点で4万2900人。1週間で5000人超増えた。10月初めに比べると4割増だ。

26日時点で集中治療室(ICU)に入っている患者数は8800人に及ぶ。東部のニューヨーク州
で感染が広がった4月のピーク時(約1万5000人)や、西部カリフォルニア州や南部テキサス
州などで拡大した7〜8月(1万人超)と比較すればまだ少ないが、足元で増加する傾向だ。

入院患者が増えれば医療体制の逼迫が懸念される。一部の地域ではすでに影響が出始めている。

現地メディアによると、中西部のウィスコンシン州のミルウォーキー郡では中心部にある大手
病院が相次ぎ、外来患者の受け入れを制限し始めた。病床が逼迫しているためだ。同郡では入
院中の新型コロナ感染者が26日時点で307人と、1カ月前の約3倍に膨れあがった。ノースダコタ
州でもICUの空きがない病院が出始めた。

メドウズ米大統領首席補佐官はCNNテレビのインタビューで「新型コロナウイルスを制御する
考えはない」と明言した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は26日、感染抑制の取り
組みを断念するのは「危険だ」と警告した。