コロナ重症化、ネアンデルタール人由来の遺伝子が関連か OIST教授らが解明 2020年10月5日 07:55

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスバンテ・ペーボ教授らの研究グループは、
新型コロナウイルスの重症化に、旧人ネアンデルタール人由来の遺伝子が
関連している可能性があることを解明した。9月30日に英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

 国際プロジェクト「COVID−19ホストジェネティクスイニシアチブ」はこれまでの研究で、
新型コロナウイルスの感染者3千人以上を対象に調査し、重症化に影響を与える遺伝子を特定していた。
ペーボ教授らはこの遺伝子が約6万年前に交配によって
ネアンデルタール人から現代人の祖先に受け継がれたものだと解明した。

 この遺伝子を持つ人が新型コロナウイルスに感染すると、
人工呼吸器を必要とするまで重症化する可能性が、最大で約3倍に増えると説明する。
日本にはネアンデルタール人の遺伝子を持つ人はほとんどいないという。

 ペーボ教授は「ネアンデルタール人の遺伝的遺産が、
このような結果をもたらしていることは衝撃的だ」とコメントした。
共同研究者のヒューゴ・ゼバーグ教授は「年齢や疾患の有無なども重症化に影響するが、
遺伝的要因の中ではこの遺伝子が最も影響が大きい」と話している。

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