首相選挙、枝野氏から共産へのお願いあった?なかった? 小林豪 2020年10月1日 6時00分

 首相を選ぶ国会の指名選挙で、共産党は22年ぶりに、
他党の党首である立憲民主党の枝野幸男代表に投票した。
打倒・自公政権に向けた野党共闘の一歩に見えた。しかし、枝野氏が共産の志位和夫委員長に
投票依頼したかどうかをめぐり、双方の言い分が食い違っている。お願いしたの? していないの?

 9月16日の首相指名選挙では、立憲のほかに共産、国民民主、社民、れいわ新選組の各党と、
一部の無所属議員が枝野氏に投票。枝野氏は衆院で134票、参院で78票を獲得した。
共産が決選投票をのぞき、他党議員に投じたのは、
1998年に旧民主党の菅直人代表(当時)に投じて以来、22年ぶりだった。

 投票前の16日午前、国会内で枝野氏と会談した志位氏は「政権交代を実現し、
連携をさらに強めていくということで、(枝野氏から)首相指名での協力の要請があった」と記者団に説明。
「『野党連合政権』を実現するという我が党の意思表示として、枝野さんに投票すると、その場で申し上げた。
枝野さんから『大変光栄だ』という話もあった」と語った。枝野氏の依頼があり、共産も快諾したとの主張だ。

 この志位氏の説明について、国民の玉木雄一郎代表も24日の記者会見で「立憲から共産に対し、
首相指名のお願いをしていたのは承知していなかったので、正直驚いた」と漏らした。

 ところが、枝野氏は30日の会見で、共産に指名選挙の協力を求めた理由を問われると、
「私は(志位氏に)自公政権を倒すために最大限連携し、協力をしていきたい、というお願いをした。
他の野党にも同じように、同じような言葉でお願いしている」と答え、
指名選挙で自分に投票するよう協力を求めたわけではないと述べた。

 両党の説明にずれが生まれるのは、
次期衆院選をめぐる「野党共闘」の思惑に違いがあることが背景にある。(以降登録記事)

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