消費減税、社会保障にマイナス 藤井裕久元財務相インタビュー 2020年09月22日07時10分

 民主党で要職を歴任した藤井裕久元財務相がインタビューに応じ、
消費税減税に前向きな姿勢を示す立憲民主党の枝野幸男代表に対し、
社会保障の安定財源を確保する観点から問題があると警鐘を鳴らした。主な発言は次の通り。

 野党がまとまっていなくて、与党に勝てるわけがない。
私が自由党の幹事長をしていた時、2003年の民主党との合流の結果、鳩山内閣ができた。
まとまることで強くなって、野党が力を持つようになるのは否定できない。
 野党合流に国民民主党の一部が参加しなかったのは残念だ。少しぐらい意見が違っても
一緒になった方がいい。離合集散を止める努力をする必要があるが、簡単ではない。
 自民党を見習えばいいとは思っていないが、
自民党は最後は異論を押さえ付ける。今まで野党はそうしたことが足りなかった。
大将が黙ってみんなの意見を聞いて、最後は「こうするぞ」と決めるということでいいと思う。

 枝野氏の新執行部人事はいい人事だ。よく見る顔ばかりだということは、それなりの政策通であること
を意味しているのかもしれない。格好だけつけるのが一番怖い。堅実な布陣だと思っている。
 政権獲得へ政策を打ち出すことは当然だが、消費税は社会保障を安定させる意味で
非常に重要だとあえて言う。消費税を減税するということは何を意味するのか、
社会保障のマイナスになるのではないかと私は考えている。

 共産党との選挙協力はやるべきだ。ただ、暴力革命イコール共産党だと思っている人がいまだに多い。
暴力革命路線に戻るとは考えられないが、連立政権をつくるというなら、
共産党が党名を変えるぐらいのことが必要かもしれない。
 れいわ新選組の山本太郎代表はくみすべき相手ではないと思う。
山本氏は財政赤字拡大を容認する現代金融理論を信用している。この理論では最後は
全部国債を発行し、その値段が落ちるから日銀が買う。日銀は負の財産を買うことになる。絶対反対だ。
 枝野氏が、菅義偉首相の社会像「自助・共助・公助、そして絆」に対し、
「支え合う社会」を掲げたことは正しい。目先の空気に迎合するな、ということが私は大事なことだと思う。

ttps://www.jiji.com/jc/article?k=2020092100341