北海道内便でもマスク拒否 降ろされた乗客「持病ある」 金子和史 2020年9月12日 22時33分

 北海道内を運航する日本航空系の旅客機内で12日、
マスクの着用を拒んだ男性乗客が、離陸前の機内から降りるよう機長から指示されていたことが、
運航会社の北海道エアシステム(HAC)への取材で分かった。
降ろされた男性乗客も朝日新聞の取材に応じ、マスクを着けなかった理由などを語った。

 機内でのマスク着用をめぐっては、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション機でも今月7日、
マスクを着けず大声で騒ぐなどした男性客について、
航空法の安全阻害行為にあたると判断。新潟空港に臨時着陸して降ろしていた。

 HACによると、問題が起きたのは12日午後0時20分ごろ。奥尻島の奥尻空港で、
離陸を前にしていた函館行きの日航2890便(サーブ340B型、計36席)の機内で、
乗客の男性1人がマスクを着けていなかったため、客室乗務員は着けるよう求めた。
しかし男性は応じず、マスクを着けない理由を客室乗務員が尋ねたところ「答えたくない」と話したという。

 機長は、男性が客室乗務員の質問に答えなかったことから、
安全な運航に支障をきたす恐れがあると判断。航空法に基づき、飛行機を降りるよう指示した。
機内には当時、男性のほかに20人の客が乗っていた。出発は定刻より約30分遅れたという。

 降ろされた男性も12日夜、朝日新聞の電話取材に応じた。
 男性の説明では、男性は33歳の会社員で福岡市在住。
観光のため奥尻島を訪れていたという。以前、マスクを着けた際に
じんましんが出るなど体調不良になったことがあり、今回もマスクを着けなかったという。

 客室乗務員とのやり取りについては、HAC側との同様の説明をしている。マスクを着けない理由を
答えなかったことについては、「持病のことを公の場で言いたくなかった」と話している。(金子和史)

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