顔立ちがどことなく貧困調査官チック__

菅氏と闘った元官僚の激白「抵抗したら干される恐怖」
https://www.asahi.com/articles/ASN9C3HB9N97UPQJ009.html

 ――霞が関の外に身を置く今、安倍政権をどう総括しますか。
 「7年8カ月の長期政権となったのは、直前の民主党政権が中長期的な政策課題に
ついて枠組みを作っていた点が大きかったと言えます。安倍政権は、民主党政権に
支えられた側面があるのです」

 ――安倍晋三首相が「あの悪夢の……」と連呼してきた民主党政権に、ですか。
 「その一例は、民主党政権末期の税・社会保障の一体改革です。野党だった自公
両党と2012年に結んだ3党合意は、消費増税に道筋をつけました。自民党内は
明らかに『消費増税は世間の評判が悪いから、民主党政権にやってもらおう』という
空気だったのです。実際、消費増税で民主党は多くの離党者を生み、政権再交代した。
もし同じことを自民党がやれば、やはり党が割れるなど混乱したでしょう」

 ――民主党の「遺産」をうまく利用した、ということですか。
 「民主党政権の遺産は、アベノミクスの第二の矢である『機動的な財政政策』にも
貢献しました。なぜ安倍政権はこれほどの財政拡大路線をとることができたのか。
民主党が消費増税の方向性や東日本大震災の復興財源の枠組みを作り、『日本の
財政はひどいが、まだ何とかなる』という国際的な信用を得たことが、足がかりの一
つになっていたのです」
 「TPP(環太平洋経済連携協定)についても、同様のことが言えます。野田佳彦政権は
すでに米国との事前協議に入っていました。農業団体を支持基盤とする自民党内には、
TPPに反対・慎重な議員が多数いましたが、前政権のお膳立てに助けられました」

 ――新型コロナウイルス対策では後手が目立ちましたが。
 「そのコロナ対策でも、緊急事態宣言を可能とする特別措置法、国民への10万円給付に
活用されたマイナンバー制度を整備したのは民主党です。官僚支配打破を国民に
アピールしていた民主党ですが、人事で意に沿わぬ官僚を飛ばすようなことはほとんどなく、
官僚からの問題点の指摘にも比較的耳を傾けていました」