>>422の続き

 「20日に佐々江氏が中国で戴秉国(たい・へいこく)国務委員(外交担当)に会ったときに映像を見てもらおうと
思った。私が指示した。映像を見れば、どちらが悪いか一目瞭然だからだ。しかし『捏造(ねつぞう)したのでは
ないか。そんなものは見ない』として最後まで見なかった。日本がこれを機会に尖閣の実効支配を強化しようと
しているのと警戒していたようだ」
 「当時、オバマ米政権は米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条を尖閣に適用すると言っていなかった。
訪米した私はクリントン国務長官との会談前日、ニューヨークの日本総領事館に東アジア担当のキャンベル
国務次官補を呼んだ。20年来の知り合いだ」
 「こうした事件が今後あるかもしれないと思い、『尖閣への5条適用を言ってほしい』と頼んだら『分かった』と。
彼はその代わり『これ以上、ことを荒らげるなよ』とも言っていた。そして翌日、クリントン氏は5条適用と言った」

 −−どこで対応を間違えたのか
 「官邸の一貫性がなかったのが最大の問題だった。逮捕相当との意見を上げ、そして逮捕を決めたのは官邸だ。
その主が釈放しろと言ってきた。そのつじつまを合わせるために泥をかぶったのが仙谷氏だった」

 −−10年後の現在も中国の挑発は続いている
 「挑発は、もっと強くなる。南シナ海の次は東シナ海だ。必ずやってくる。それに備え、(平時と有事の区別が
つきにくい)グレーゾーン事態に対処する法制の整備が大事だ。中国を刺激するという意見もあるが、
中国海警局は軍隊だ。日本の護衛艦を白いペンキで塗って『Japan Coast Guard(海上保安庁)』と
書いているようなものだ。だから、海保と海上自衛隊の増強、日米同盟の協力深化を絶えずやっていかなければ
ならない。中国は隙さえあれば突いてくる。もっと防衛費を増やし、海保の人員を増やすことをやっていかないと尖閣は守れない」