「菅さんは霞が関をめちゃくちゃにした張本人」女帝に刺された男・小林興起が語る
11/4(水) 8:51配信 週刊SPA!
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f91af31a67379efca8858f85ad24e0c3ebec27f

――小林先生が、いまの自民党をつくったきっかけとしてあげるのが、2005年小泉政権下での郵政解散ですね。
確かに、二階俊博幹事長は郵政解散のとき総務局長で、“刺客”の擁立に尽力しました。その刺客になったのが、小池知事です。
菅さんも郵政解散後に、総務副大臣のポストを得て、頭角を現した。あのとき、勝ち馬にのった人たちはいま出世していますね。

小林:要するに、あの時に学問して、こだわって、論陣を張った人は全部だめになったんです。権力には、政権にはどんな意見があっても、賛同する。これしかないじゃない。

小泉さんもたいしたもので、自民党も地方議会もぜんぶ反対したのにも関わらず戦って勝ったわけだからね。小泉さんも勝ち負けという意味ではすばらしいのよ。
郵政民営化というのは、アメリカ通商代表部(USTR)作成した「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書」というのに書かれていた。
それを、全国民を敵に回してでもやろうとしたのが、小泉さんであり、竹中平蔵さんだったわけです。こんな立派な人いないですよ、国民のいうことを聞かないで、アメリカのいうことを聞くって。
ましてや、当時、ぜんぶテレビや新聞は小泉応援していましたからね。

――小林先生も、自民党を除名され、地元の東京10区に“刺客”として送られてきた小池知事に選挙で敗北しました。

小林:めちゃくちゃでしたよ。討論会やろうといったって、議論にならないんですよ。唯一、意味があったのは、外国人特派員協会の討論会ですよ。
その時の小池さんの返事が素晴らしかった。「私は忙しい大臣だから郵政法案みていない」。えっ、あなたは郵政民営化を推進するために、この選挙区にきたんじゃないのって……。議論にならないんだ。
アメリカがなぜ年次改革要望書で郵政の民営化を求めてきたのかというと、ゆう貯の莫大な資産に目をつけてきたわけだと私は思っている。民営化っていうのは民間の資本になるわけです。
そうすると、郵政の運営は、株をたくさん買うアメリカの影響下に置かれるし、アメリカに利益が吸い上げられるわけですね。こんなものに反対するしかないというのが私の考えでした。

菅首相は竹中平蔵氏につていきましたね。

小林:それが正解だったんですよ。竹中さんは、小泉さんに一番信頼されている。
そうやって、竹中総務大臣の下で、総務副大臣というポストを得たわけです。状況を見て、強いほうについて、ごまする。どこが一番票をとるだろうってね。その次は、小泉さんの直系である安倍さんにずっとついて行ったわけです。
彼はよくわかったんでしょう。日本では、「本当のことを言っちゃよくない」と。アメリカのいいっていうことに逆らったらね。
私なんかそんな力なかったけども、力のあった亀井静香さんとか、平沼赳夫さんとか、総理候補といわれた立派な人材がね、全部放逐させられたのが郵政解散でしたね。