搭乗5時間の旅客機で新規感染の証拠発見か、独大学
8/20(木) 18:35配信CNN.co.jp

(CNN) ドイツのゲーテ大学の研究者グループは20日までに、新型コロナウイルスの感染が約5時間搭乗の旅客便内でも起こり得ることを示す証拠を突き止めたとの研究結果を米医師会誌で発表した。
新型コロナの感染拡大が初期段階にあった今年3月、乗客2人が飛行時間が約4時間40分のイスラエル・テルアビブ発、ドイツ・フランクフルト行きの旅客便に乗った後、感染したと報告した。
研究結果によると、今回の機内での感染源はホテルマネジャーとされ、乗客の観光客ら計24人が搭乗前に接触していたとされる。マネジャーは後になって陽性反応を示した。
機材が米ボーイング社製の737―900型機の同便には乗客計102人が搭乗。全員が新型コロナの検診を受けずに乗り込み、感染拡大が深刻な時期ではなかったためか、機内での予防策もなくマスク着用も求められていなかった。
同大の医学ウイルス学研究所の研究者はこのうちの24人を検査。結果的に7人が陽性反応を見せ、このうちの4人はフライト中に症状が出て、2人は発症前の状態にあり、1人は無症状が続いたことが判明した。
同便内で2人への感染が起き、他の7人は集団内の最初の感染者だった可能性があることも把握したと指摘。2人は機内後部に座り、通路越しの直接離れた場所に7人がひとかたまりとなって着席していたとも説明した。
ただ、感染は同便の搭乗前あるいは搭乗後に起きたことも考えられるとした。
同便の9割を超える乗客との面談調査では、乗客1人が搭乗から4日後の陽性反応を報告したが、発症が起きたことについては思い出せなかったという。他の乗客の大半には搭乗から4〜5週間後に接触し、事情を聴いていた。
研究者たちは、天井から床面まで、もしくは機内前方から後方までの間の空間での空気の流れが感染率の減少に関係している可能性があるとも分析。乗客がマスクを装着しているのならば感染率はさらに下がるだろうとも推測した。
航空機内での感染リスクにはさまざまな要因が絡むとされ、集団内の最初の感染者との近さや乗客や乗務員の行動などが含まれる。