韓国 WTO判断に従い日本製バルブへの高関税措置を撤廃 2020年8月19日 21時34分

経済産業省は、韓国政府が半導体の工場などで使われる
日本製の空気圧バルブに高い関税をかける措置を、19日撤廃したと発表しました。
WTO=世界貿易機関が示した是正を求める最終判断に韓国側が従った形です。

韓国政府は、半導体や自動車部品などの生産ラインで使われる日本製の空気圧バルブが
不当に安く販売されているとして、2015年に最大でおよそ23%の関税をかける措置に踏み切りました。
これに対して、日本はWTOに提訴し、2審に当たる上級委員会は去年9月に、
韓国政府の措置はWTO協定に違反するとして、是正を求める最終判断を示していました。
これについて経済産業省は、韓国政府が19日午前0時にこの措置を撤廃したと発表しました。

経済産業省は、「韓国には、措置を速やかに撤廃するよう繰り返し求めてきた。
日本が申し立てたWTOの紛争解決手続きの成果だ」とコメントしています。
WTOでは、自動車や工作機械のバルブなどに使われる日本産のステンレス製の鋼材に
韓国が高い関税をかけている措置について審理が進められているほか、日本が韓国向けの
半導体などの原材料について輸出管理を厳しくした措置をめぐり、審理が行われることになっています。

韓国政府「WTOの最終判断とは関係ない」
韓国政府が日本製の空気圧バルブに高い関税をかける措置を19日撤廃したことについて、
韓国の産業通商資源省はコメントを発表しました。
この中では、日本の経済産業省が「日本が申し立てたWTOの紛争解決手続きの
成果だ」としていることについて、「WTOの最終判断とは関係ない」と主張しています。

関税措置を撤廃した理由については「5年間の措置期間が経過したためだ」としたうえで、
韓国国内の生産者からも関税措置の継続を求める要請がなかったとしています。
WTOの上級委員会は去年9月、韓国に是正を求める最終判断を示しましたが、
韓国政府は「韓国が主要な争点で勝訴した」などと主張していました。

ttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200819/k10012573631000.html