台風に伴う高潮
気象庁
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/4-1.html
台風が接近して気圧が低くなると海面が持ち上がります。これを「吸い上げ効果」といい、外洋では気圧が1hPa低いと海面は約1cm上昇します。
例えばそれまで1000hPaだったところへ中心気圧が950hPaの台風が来れば、台風の中心付近では海面は約50cm高くなり、そのまわりでも気圧に応じて海面は高くなります。
このようにして起こる海面の上昇を高潮と呼び、天文潮位との差を潮位偏差と呼びます(実際の潮位=天文潮位+潮位偏差)。

消防庁
https://www.homemate-research-fire-department.com/useful/23211_firehouse_011/
室戸台風
1934年(昭和9年)に発生した室戸台風は、最低気圧911.6ヘクトパスカルを記録しています。吸い上げ効果での海面上昇は約101cmです。
枕崎台風
1945年(昭和20年)に発生した枕崎台風の最低気圧は910ヘクトパスカルでした。吸い上げ効果での海面上昇は103cmとなります。
伊勢湾台風
1959年(昭和34年)に発生した伊勢湾台風の最低気圧は895ヘクトパスカルでした。吸い上げ効果での海面上昇を計算すると118cmにもなります。

国交省
https://www.mlit.go.jp/river/kaigan/main/kaigandukuri/takashiobousai/01/index.html
台風など強い低気圧が来襲すると、波が高くなると同時に海面の水位も上昇します。これを高潮といいます。
高潮も波の一種ですが、周期が数時間と非常に長いため、波というよりむしろ海の水位が全体的に上昇する現象となります。
海水のボリュームがけた違いに大きいため、一旦浸水が始まると、低地には浸水被害が一気に広がることになります。