アクテムラ 新型コロナ重症患者対象の欧米フェーズ3で有用性示せず ロシュ
2020/07/30 04:51
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ロシュは7月29日、新型コロナウイルス関連肺炎による重症入院患者を対象に欧米で実施するアクテムラ(一般名:トシリズマブ)の欧米で実施した第3相臨床試験「COVACTA」の結果について、主要評価項目を達成しなかったと発表した。
主要評価項目に据えた臨床状態の改善や死亡率についてのいずれも、対照群であるプラセボに対し、有意差を示せなかった。
アクテムラは、ロシュの子会社である中外製薬が自社創成した抗体医薬で、新型コロナウイルスに起因するサイトカインストームへの有効性が期待されていた。

主要評価項目の4週目の臨床状態の改善については、アクテムラ群はプラセボ群に対し、統計学的な有意差は認められなかった(p=0.36、オッズ比:1.19、95%CI:0.81-1.76)。
カギとなる副次評価項目である、4週間後の死亡率は、アクテムラ群19.7%、プラセボ群19.4%で、有意差は認められなかった(p=0.9410)。