「医師が論文5本で捏造や改ざん」 阪大と国循が発表
瀬川茂子、杉浦奈実、後藤一也 2020年8月18日 21時08分

 大阪大と国立循環器病研究センター(国循)は18日、
以前所属していた野尻崇医師が発表した論文5本に捏造(ねつぞう)・改ざんがあったと発表した。
不正が認定されたうちの1本は、心臓病の薬が肺がんの転移を抑える効果があるかを調べる
大規模な臨床研究を進めるための安全性の根拠を示す参考論文になっており、
今後、臨床研究の進め方を検討する。野尻氏は不正を認めていないという。
すでに退職しているが、阪大は懲戒解雇処分に相当するとしている。

 阪大などによると、野尻氏が筆頭著者や責任著者となった論文21本に
不正があるとの指摘が第三者からあり、調査を進めてきた。

 その結果、5本の論文で、元データとなるカルテの数値と論文のグラフの数値が異なっていたり、
元の計算結果と異なるデータで作図されたりしていることが判明した。
阪大などによると、野尻氏はミスだとして不正を認めていないというが、
疑いを覆すデータは示されなかったため、研究不正と認定した。
論文の共著者については不正への関与は認められなかった。(以降登録記事)

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