【速報】「黒い雨」訴訟、広島市と県が控訴方針 | 中国新聞デジタル 2020/8/11

 原爆投下後の「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、
健康被害を訴える広島県内の原告全84人に被爆者健康手帳を交付するよう広島市と県へ命じた
7月29日の広島地裁判決で、被告の市と県が控訴する方針を決めたことが11日、分かった。

 複数の関係者によると、厚生労働省は広島地裁の判決について、市と県に控訴するよう要請。
市と県は、援護対象区域の拡大を長年国に求めてきた立場から、
控訴しない「政治判断」と被害者救済を強く求めていた。
厚労省などとの協議を踏まえて、市と県が控訴方針を受け入れたという。

 厚労省は広島地裁の判決後、原告全員への被爆者健康手帳の交付は困難と説明。
長崎原爆で国の指定地域外にいた「被爆体験者」を被爆者と認めなかった
最高裁の2017年と19年の2度の判断や、
健康被害を黒い雨の影響とする新たな科学的知見がない点を理由に挙げていた。

 被爆者健康手帳の交付は国からの法定受託事務。市と県は国の代わりに手帳の交付を担うため、
今回の裁判では市と県が被告となった一方、制度設計に裁量の余地はない。

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