弁護士会、厚生年金逃れか 所属弁護士ら「脱法」と提訴 神宮司実玲 2020年8月11日 21時11分

 神奈川県弁護士会会長の報酬をめぐり、同会所属の弁護士4人が
「報酬の支払いで会長に厚生年金への加入義務が生じたのに、
同会による脱法的な手続きで加入を逃れた」として同会を提訴したことがわかった。
同会によると、年金事務所からも加入の必要があると指摘を受け、対応を検討中という。

 訴状などによると、同会は会則に基づき、会長(任期1年)に月30万円の報酬を支払っていた。
横浜中(なか)年金事務所(横浜市)は昨年2月、同会が会長報酬を支払っていることを踏まえ、
当時の会長(3月に退任)には厚生年金の加入義務があると同会に指摘した。

 これを受けて同会はワーキングチームを立ち上げて解決策の検討を始め、会長は報酬を返納。
一方で同会は今年2月、任期終了後に会長と顧問契約を結ぶ▽
2年間にわたり月額15万円の顧問料を支払う――などとする決議を可決した。

 4人の弁護士はこの決議を問題視。厚生年金保険法に基づく厚生年金への
加入義務を逃れるための脱法行為だとして、決議の無効確認を求めて横浜地裁に提訴した。
この決議について4人は、会長は1年間でも厚生年金に入ると国民年金に加入していた場合は
脱退せざるを得ず、会長を1年後に退任した後で入り直すと当初に比べ利率が下がるなど
不利益が生じる▽決議はそれを回避するための措置で違法だ、と訴えている。

 同会は11日にコメントを公表。これまでの対応を「暫定措置」とした上で、
「なお解決策を模索し続けていた最中、今般の事態に至り誠に遺憾。
引き続き最善の解決策を模索する」などとしている。(神宮司実玲)
ttps://www.asahi.com/articles/ASN8C6VPSN8CULOB012.html


〈独自〉日弁連会長らも厚生年金未加入 2020.8.11 20:07
ttps://www.sankei.com/affairs/news/200811/afr2008110023-n1.html