人はなぜ被害者を責めるのか〜公正世界仮説

公正世界信念の保持者が「自らの公正世界信念に反して、一見何の罪もない人々が苦しむ」
という不合理な現実に出会った場合、「現実は非情である」とは考えず、自らの公正世界信念に即して
現実を合理的に解釈して「実は犠牲者本人に何らかの苦しむだけの理由があるのだ」という
結論に達する非形式的誤謬をおこし、「暴漢に襲われたのは夜中に出歩いていた女性が悪い」
「我欲に天罰が下った」「病に罹患するのは宿業を負ったものが輪廻転生したからだ」
「カーストが低いのは前世でカルマが悪かったからだ」など、加害者や天災よりも
被害者や犠牲者の「罪」を非難する犠牲者非難をしがちである。