無所属議員、立国合流にやきもき「最後の機会」 選挙控え交渉後押し 2020.8.9 20:55

 旧民進党系の無所属議員らが、立憲民主、国民民主両党の合流協議の行方を
固唾をのんで見守っている。両党が解散して結成する新党に参加すれば、
最大野党の一員として活動の幅が広がり、選挙でも生き残りやすくなる。
早期の衆院解散・総選挙も取り沙汰される中、破談させまいと早期合流を声高に訴えている。

 国民の玉木雄一郎代表は9日、長崎県大村市で記者団に
「新しい党としてスタートするのであれば、理念や政策の一致は大切だ。
最終的に党首会談で合意を得たい」と述べ、立民の枝野幸男代表との会談に重ねて意欲を示した。
 合流協議は、立民が提案した新党名の決定方法に玉木氏が難色を示し、結論が見通せていない。
こうした状況に、無所属の階猛(しな・たけし)衆院議員は7日に記者会見し、「(合流が)成就する前に
総選挙になるかもしれない。このタイミングが最終最後ではないか」と早期合流の必要性を強調した。

 会見には、野党統一会派内の政策グループ「直諫(ちょっかん)の会」会長で
無所属の重徳和彦衆院議員も同席。
「どんな行動でも起こす準備がある」と述べ、協議の進展を後押しする考えを示した。
 合流協議が本格化した7月以降、無所属議員の動きは活発だ。
野田佳彦前首相率いる「社会保障を立て直す国民会議」や、
岡田克也元副総理らのグループのメンバーも、たびたび会見などで早期の合意を訴えている。
野田、岡田両氏は新党に参加意向で、立民幹部は「再び政権交代をという思いが強い」と解説する。

 背景には、早期解散への警戒感がある。
無所属候補は選挙区と比例代表への重複立候補ができないが、政党公認ならば可能で、
比例復活当選の可能性がある。支持基盤の不安定な議員にとって新党参加は命綱だ。
 また、比例当選議員は選挙で争った党への移動が禁止されているが、
立民と国民が新党を立ち上げれば前回衆院選で旧希望の党から比例復活で当選し、
立民に入党できない無所属議員も参加できる。「合流してくれないと困る」(中堅)のが本音で、
旧希望の無所属議員は「僕らはまな板の上の鯉(こい)だ」と自嘲気味に話している。(豊田真由美)
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