広告代理店社長の石山陽一さん(55)は四月九日に父の良雄さん(83)、同二十二日に母の信子さん(82)を新型コロナで失った。
「まさに地獄絵だった。あれから三カ月。時が止まったようなんだ」
良雄さんが体調を崩したのは四月一日。高級クラブが軒を連ねる東京・銀座で飲んだ数日後だった。高熱が続き、陽一さん夫妻と同居していた自宅のトイレで立ち上がれなくなった。三日、四日と救急車を呼んだが感染の可能性が高いとして、搬送先の病院が二日続けて見つからなかった。
二日後の六日、都内の総合病院が受け入れてくれた。その病院で初の新型コロナ患者だと聞かされた。面会は禁じられ、医師から電話で病状を報告された。
自宅にいた信子さんも体調を崩した。高熱とせき−。良雄さんと同じ症状だった。部屋を別々にして家庭内隔離をしていたが感染は避けられなかった。八日、信子さんも同じ総合病院に入院することになった。
翌九日の昼前、陽一さんの携帯電話が鳴った。良雄さんだ。看護師に頼んで電話を掛けてもらったようだった。十分ぐらい話しただろうか。せき込んでいてよく聞き取れなかったが、弱音を吐いたことがない
父が息も絶え絶えに「苦しい」と訴え、「頼むよ」と言ったのは分かった。
これが父との最後の会話になった。入院からわずか四日目に逝った。
「火葬場さえ知らされないまま、おやじはお骨になって家に帰ってきた」(略)
医師は病室に備え付けられたタブレット端末で問診し、病室には立ち入らなかった。不信感を募らせた陽一さんは看護師に医師を呼ぶよう求めた。
姿を見せた担当医は「僕らは限られた医療資源なんだ。僕らが倒れたら誰が治すのか」と言い放った。
新型コロナに父を奪われ、母も危うい。治療の切り札と言われる人工心肺装置
「ECMO(エクモ)」は配備されていたようだったが使われなかった。「一体、どうなっているんだ」。文句を言った陽一さんは二十日、退院した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/750666e84cd5020db75d5a4bb415934567e37089
どうみても元凶はお前の親父じゃねーの、4月に銀座で飲むとか