「要請に従うのが馬鹿みたい」 飲食店、あきらめと不満 増山祐史、黒田壮吉 2020年8月4日 11時59分

 お酒を出す飲食店やカラオケ店の営業は31日まで午後10時まで――。
新型コロナウイルスの感染拡大にともなう東京都の要請が3日夜から始まった。
緊急事態宣言下だった4、5月につづく再要請。「従うしかない」「店がもたない」。
赤ちょうちんの路地を記者が歩くと、あきらめと不満がのれんの奥から漏れてきた。

 会社員らでにぎわっていた街は、午後10時になると一変した。大通りに面した店の多くが
看板をしまい始め、シャッターを下ろす。30分後には人通りはまばらになった。

 魚料理が名物の居酒屋「和楽」は要請に従い、閉店を1時間早めた。
4、5月の休業後、6月から営業を再開したが、売り上げはいまも通常時の7割減に落ち込んだままだ。
従業員7人の人件費など、固定費だけで月に400万〜500万円ほどかかる。
都は今回、要請に応じた中小の事業者に協力金20万円を支払うとしているが、
岩本全康(まさやす)社長(58)は「なんの慰めにもならない」とこぼす。

 「感染防止のためには、協力するしかない」と思うが、
「どこかで感染者が出れば、飲食店がひとくくりに悪者にされる。
まじめに要請に従っているのが馬鹿みたい」とも思う。「要請は都内全体でなくピンポイントにし、
その分、協力金の額を上げてほしい。でないと飲食店はもたない」と注文を付けた。(以降登録記事)

ttps://www.asahi.com/articles/ASN843J5GN84UTIL001.html