コロナ「感染者数の積み上げ」でパニックを誘発する報道の病理
7/30(木) 6:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3d5333266782cdb4c4e83a46cc7098dee321e7e

● ワイドショーの新型コロナ報道が 視聴者の不安を煽る「仕掛け」とは
司会者の傍らに、全国の新型コロナウイルス感染者を一覧にした日本地図のパネルがあり、
そこにはこれまで新規感染者が1人や2人しか出ていなかった県の場所に、「265人」「231人」などと大きく記されていたのだ。
「知らない間にそんなに増えていたのか」とマジマジと見てみると、それらの人数の下に4分の1くらいに縮小したフォントで「新規1人」「重症0人」と記されていることに気づいた。
さらに、よくよく目を凝らしてみると、「ダイヤモンド・プリセンス号を含む」なんて小さな但し書きもあった。
本日時点の新規感染者数を並べているのかと思いきや、これまで新型コロナにかかった人の数を積み上げた「累計感染者数」だったのだ。
視聴率の奪い合いをするワイドショーは、どうしても「絵的に強い」ものを用意してしまうということなのだろうが、これはかなり罪深い「印象操作」である。
「このままじゃ、8割おじさん(西浦博・北海道大教授)の言う通り、43万人の死者が出るぞ!」と恐怖と不安でパニックになり、中には自分を失って、とんでもない行動に走るような人も出てくるだろう。

パニックに陥る人が多くなるのも当然かもしれない。「累計感染者数」は右肩上がりなので、これをワイドショーなどで毎日朝から晩まで見させられると、
「昨日より今日、今日より明日」という感じで加速度的に状況が悪化しているような印象を与えてしまう。人々を実態以上に悲観させてしまうのだ。
マスコミは「日々の感染者数に一喜一憂しないで」と言いながらも、「相次ぐ過去最多」「ついに1000人を超えました」と毎日の感染者数をネタにして、誰よりも盛り上がっている。
今のお祭り騒ぎが続けば、「経済活動よりも命の方が大事だ」という自粛ムードが強まって、多くの人たちが路頭に迷う。「コロナ死」の数どころではない、「経済死」の犠牲者が出てしまう恐れもあるのだ。