https://style.nikkei.com/article/DGXMZO61941050X20C20A7000000
1日8000歩で「死亡リスク半減」 米国で研究報告
2020/8/3

米国立がん研究所などの研究者たちは、米国の一般的な40歳以上の人々を対象に、1日の
歩数、歩行強度(1分当たりの歩数、すなわち歩く速さ)と、死亡との関係を調べること
にしました。

歩数が多い人ほど死亡リスクが低下、8000歩で半減
平均10.1年の追跡期間中に、1165人が死亡していました。うち406人が心血管疾患(脳卒
中や心筋梗塞など)による死亡で、283人はがんによる死亡でした。結果に影響を与える
可能性のある、年齢、性別、人種、学歴、食事の質、飲酒習慣、喫煙歴、BMI、自己申告
された全般的な健康状態や、運動制限の有無、併存疾患の有無などを考慮して、歩数・
歩行強度と死亡リスクの関係を分析しました。

1日の歩数が4000歩の人を参照群とすると、2000歩の人の総死亡リスクは高く、6000歩か
ら1万6000歩までの人の死亡リスクは低くなっていました(表1)。心血管疾患による死亡、
がんによる死亡も同様で、いずれも、歩数が多い人ほど死亡リスクが低下する傾向が認め
られました。この傾向は、性別、年齢層別、人種別にグループを分けて検討しても同様に
認められました。
一方、1日の歩数を考慮した上で歩行強度と死亡リスクの関係を検討しましたが、両者に
有意な関係は認められませんでした。
論文は、JAMA誌2020年3月24日/31日号に掲載されています[注1]。
[注1]Saint-Maurice PF, et al. JAMA. 2020;323(12):1151-1160.