差別禁止条例施行で初の審査会 07月02日 16時31分

全国で初めてヘイトスピーチに対する刑事罰を盛り込んだ条例が1日全面施行された川崎市で、
個々の事例が差別的な言動にあたるか専門家が検証する審査会の初会合が開かれました。

川崎市では、公共の場所でヘイトスピーチなどの民族差別的な言動が繰り返された場合、
50万円以下の罰金を科すことを盛り込んだ条例が今月、全面施行されました。
条例では、「表現の自由」に配慮し恣意的な判断を避けるため、
罰則や拡散防止措置の対象となる差別的な言動にあたるか、
専門家による審査会の意見を聴くことになっていて、2日初会合が開かれました。

まず福田紀彦市長が、「川崎市は多様性の街として発展してきた歴史があり、
不当な差別は絶対に許してはならない」と述べ、
早速、インターネット上で確認された事例について、審査会に諮問しました。
このあと審査会は非公開で行われましたが、市によりますと、差別的だと情報が寄せられた
インターネット上の書き込み、およそ300件のうち、2日は9件について審議されたということで、
市は今後の審査会の意見を踏まえ削除要請や公表などの対応を検討するとしています。
審査会で会長を務める吉戒修一弁護士は、
「差別的な言動には被害者がみずから対応しているのが実情で心理的負担は大きい。
表現の自由とのバランスを考えながら議論を続けていきたい」と話していました。
ttps://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200702/1000050856.html

川崎市:第1期川崎市差別防止対策等審査会の委員について
ttp://www.city.kawasaki.jp/templates/press/250/0000116619.html

審査会委員は「石井忠雄弁護士」、「最所義一弁護士」、「人見剛早稲田大学大学院法務研究科教授」、
「棟居快行専修大学法科大学院教授」、「吉戒修一弁護士」の五人です。