左派系の非営利団体「メディア・マターズ・フォー・アメリカ」の調査によると、米議会選
挙に出馬する候補のうち14人がQアノンのコンテンツを支持または信認している。

ツイッターは7月21日、11月の米大統領選に向け、Qアノン関連のアカウント数千件を停止し
たと発表した。ティックトックも人気のハッシュタグ「#Qアノン」などの使用を禁止した。

フェイスブックはコメントの要請に応じなかったが、関係筋によると、Qアノンの勢力拡大
に歯止めをかける方策を検討中で、8月に発表する予定だ。

■アカウント停止だけで動きを止めるのは困難

だが、アカウント停止などの措置だけでは「真実」の追求と共有をうたうQアノンの動きを
止めるのは困難だろうと専門家らはみている。

米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボのイーサン・ザッカーマン准教授によると、
Qアノンが従来のワクチンや米同時テロをめぐる陰謀論と異なるのは、信奉者の「参加」が
勢力拡大の前提としてあらかじめ組み込まれている点だ。
ニューヨークのシンクタンク「データ・アンド・ソサエティー」の調査アナリスト、ウィリ
アム・パーティン氏も信奉者に主体性を感じさせている点が重要だと指摘する。
加えて、Qアノンが新参者による古参メンバーへの質問の投稿を大歓迎していることがメン
バーの増加につながっているという。

偽情報の監視団体「ロジカリー」の上級調査員ジョー・オンドラク氏によると、「Q」の投
稿内容が曖昧なことも他の陰謀論と「Q」の主張を結びつけやすくしている。例えば「Q」
は7月初旬の投稿で、米国の投資家で性犯罪者の故ジェフリー・エプスタイン氏は実際には
元パートナーのギレーヌ・マックスウェル氏の操り人形ではなかったのかとの疑義を呈した
(編集注、マックスウェル氏が7月2日、エプスタイン氏の性犯罪に協力していた疑いで米連
邦捜査局に逮捕されたのを受けての投稿。主犯はエプスタイン氏ではなく、マックスウェル
氏だと示唆している)。