ボルトン氏は2018年6月にシンガポールで開かれた最初の米朝首脳会談の共同声明に、
北朝鮮による日本人拉致問題の解決の重要性を強調する文言を明記しようとしたが実現し
なかった。金正恩朝鮮労働党委員長はトランプ氏との会談の場で拉致問題に言及するのを
嫌がり、「日本とは既に拉致問題に関して合意に達している」などと主張したという。
 また、北朝鮮の非核化に懐疑的なボルトン氏は、世論調査で劣勢のトランプ氏が大統領
選直前の「オクトーバーサプライズ」として、北朝鮮問題で耳目を集めようとすることを
懸念していると明言。トランプ氏が正恩氏との再会談や朝鮮戦争の終戦宣言などを行う恐
れがあると語った。
 
トランプ氏が、香港情勢や新疆ウイグル問題などこれまで消極的だった人権問題で対中強
硬姿勢を強めていることに関しては、「信念や大戦略はなく、国内の政治的反発を最小化
するという関心に基づいている」と酷評。再選すれば、香港情勢よりも重視してきた貿易
合意の交渉に戻ると指摘した。