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[FT]バイデン氏、重要州テキサスで支持拡大
2020/7/20 15:46日本経済新聞 電子版 Financial Times

米南部テキサス州のメキシコ湾沿いにある選挙区で今年11月の下院選に現職の共和党議員
に挑む民主党のアフリカ系女性候補エイドリアン・ベル氏は最近、保守派の有権者から思
いがけず支持を伝えられた。

「83歳の白人男性から電話がかかってきて、こう言われた。『40年以上も共和党に投票し
てきたが、今度はあなたに票を入れよう。現政権の政策が理由だ』」

ベル氏は、新型コロナウイルスなどへの対応で同じようにトランプ大統領に幻滅している
共和党支持者らも、自分を勝利に押し上げる力になってくれると信じている。ベル氏は、
大統領選でバイデン前副大統領が民主党候補として1976年のカーター元大統領以来となる
テキサスでの勝利を収めることを願う多くの党員の一人でもある。

テキサスでの結果は米国の政治で象徴的な意味を持つ。大統領選で同州に割り当てられる
選挙人は38人で、民主党の地盤であるカリフォルニア州に次ぐ数だ。重要州であるテキサ
スを制することができれば、伝統的なスイングステート(支持が揺れ動く州)の大半を勝
ち取る必要性が薄れる。

民主党員は、人口構成の変化でテキサスが自党寄りに傾くのを期待して見守ってきた。そ
の変化が2020年の大統領選に影響を及ぼすほどのペースであるとはほとんど思われていな
かったが、トランプ氏が方程式を変えたかもしれない。

■5ポイント差でリード

前回16年の大統領選で、トランプ氏はヒラリー・クリントン元国務長官を得票率で9ポイン
ト上回り、テキサス州を制した。同州での共和党大統領候補の勝利としては、1996年にド
ール元上院議員がビル・クリントン元大統領を破って以降、最小差での勝利だった。投票
まで4カ月となった今、トランプ氏はバイデン氏と接戦状態だ。