香港、令状なしの捜査を一部許可 反体制派の出国制限も
香港=益満雄一郎  2020年7月6日 22時47分
https://www.asahi.com/articles/ASN767H33N76UHMC00D.html

 香港政府は6日、反体制活動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)に基づく政策策定の司令塔となる国家安全維持委員会の
初会合を開き、捜査手続きを定めた施行規則を決定した。緊急時などの「特殊な状況下」では、警察官に捜査令状なしでの立ち入りや
証拠収集活動を認めるなど、捜査機関に強い権限を与える内容だ。7日から適用される。
 施行規則は、政府トップの行政長官の許可があれば当局による通信傍受が可能としたほか、国家の安全に危害を加える情報の削除を
プロバイダーに命じるなど通信面での監視が強化された。香港では中国本土と比べて通信の自由度が格段に高かったが、今後は様々な
政治的制約が生じる可能性もある。
 また捜査対象者に当局がパスポートの提出を命じるなど、移動の自由を制限する措置も盛り込まれた。罰則も設けられ、当局に虚偽の
資料を提出すれば、10万香港ドル(約140万円)以下の罰金と2年以下の禁錮刑を科すとしている。
 初会合には林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官ら政府高官と、中央政府から派遣された同委員会顧問の駱恵寧氏が出席した。
(香港=益満雄一郎)