https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61076050S0A700C2EA1000/
国家安全法「断固支持」中国軍が声明
2020/7/2 17:00

【北京=羽田野主】中国人民解放軍駐香港部隊は1日夜、「香港国家安全維持法」を「断固
支持する」と表明した。6月30日には陸海空軍による合同訓練を香港周辺で実施した。
国家安全法は軍の協力を明記しており、抗議デモなどへの対応で軍の関与が強まる可能性がある。

人民解放軍の機関紙、解放軍報が2日付の紙面で伝えた。声明は「国家の主権を守り、香港
の長期の繁栄と安定を維持する」とした。

国家安全法は、中国政府が香港に新設する「国家安全維持公署」と人民解放軍駐香港部隊の
「連絡と協力を強化する」との規定を設けた。デモに関する情報収集や分析などで人民解放
軍が存在感を示す可能性がある。

これまでは香港内の治安は警察部門が担い、駐香港部隊は国防を担当するという役割分担だった。

駐香港部隊はすでに香港で存在感をアピールしている。陸海空軍による合同訓練では、香港
周辺の海域で不審船を拿捕(だほ)し、銃を構えた軍人が逃走する犯罪者を押さえつける様
子を動画で公開した。

また中国国務院(政府)は2日、香港の治安政策を立案する「香港国家安全維持委員会」の事
務局トップである秘書長に陳国基氏を任命した。陳氏は香港の出入境管理の責任者を勤めて
いた。中国国営の新華社が伝えた。

>>>抗議デモなどへの対応で軍の関与が強まる可能性がある