(-人-)ナムー

コレラで殉職の警官慰霊 135回忌、防疫に従事
2020.6.23 10:44産

 明治19(1886)年に流行していたコレラの防疫業務に従事し感染して殉職した
愛知県巡査の江崎邦助=当時(25)=の135回忌となる23日、
勤務していた現在の県警田原署の関係者らが慰霊の墓参りをした。

 「愛知県警察史」(昭和46年)などによると、江崎巡査は現在の三重県鳥羽市生まれ。
23歳で採用され、全国で猛威を振るっていたコレラが愛知県でも確認されたことから
明治19年6月15日、渥美半島の視察を命じられた。

 19日に半島先端近くの村人が感染したため、江崎巡査らは住宅などの消毒を試みた。
当時は感染症の知識が十分に広がっておらず「患者は生きたまま焼かれる」などのデマも
流布されており、村人らは投石や竹やりで激しく抵抗。しかし江崎巡査が粘り強く説得を
続けると住民も理解し、医師と協力して住民の健康診断や通行人の消毒などに尽力した。

 だが22日、報告のため署へ戻る途中で自身の感染が判明。
「市街地に戻れば住民に感染し混乱する」と考えた江崎巡査は、
松林の中の小屋に残ることを決意し、翌日死亡した。
看病に駆け付けた妻のじう=当時(19)=も感染し、3日後に亡くなった。

 江崎巡査の親族に当たる名古屋市西区の江崎孝さん(81)は
村に行けば伝染することは本人も分かっていたと思う。
語り継がれていることに親族として感謝している」と話した。

https://www.sankei.com/west/news/200623/wst2006230013-n1.html