アメリコ・ライベリアンAmerico-Liberian
アメリコ・ライベリアンとは西アフリカのリベリアにおける
アメリカ合衆国の解放奴隷(アフリカ系アメリカ人)の子孫の黒人の呼名である。
アメリカで設立された民間団体、アメリカ植民協会がジェームズ・モンロー大統領の支持を受け、
黒人奴隷を解放し、1816年にアフリカのリベリアにあたる地を現地部族から買い取り、移住させた。

リベリア全人口のわずか5%しかいない少数派だが、1847年の独立から1980年までリベリアの政治・経済を支配していた。
彼らのルーツはアフリカ人であるが、自分たちがアメリカでの奴隷生活を通じて“文明化”されたと感じていたため、
大多数を占める現地部族を軽視し差別してきた。一方現地人の方も、奴隷生活の中で白人的価値観を叩き込まれた彼らを
「アフリカの文化を知らない黒い白人」とみなして軽蔑した。混血や1944年からの同化対策などで緩和されてきたが、
対立は変わらず、1980年に現地部族出身の軍人サミュエル・ドウによるクーデターでアメリコ・ライベリアンの政権は倒され、
アメリコ・ライベリアンのリベリア支配は終わった。