場外巨カスと一緒に楽しんでいたアサピ井上啓太26歳(横浜ヲタ)

東京ドーム周辺はファンたちでにぎわいを取り戻しつつあり、球場に張り付くように
して声援を送る人たちもいた。プロ野球ファンの記者(26)が現地の様子をリポートする。(略)
これまで十数人に声をかけたが、いずれも巨人ファン。阪神ファンの姿が見えない。アウェイだから仕方ないのだろうが、それにしても見当たらない。球場を1周して、ようやく遠くからでも
“虎党”だとわかる女性にめぐりあえた。チームカラーを模しているであろう
黄色の着物姿に、マスクも黄色だ。「自作の着物で応援するのが
定番スタイルなんです」と話すのは、会社員の福山多恵子さん(48)だ。
「私も何人か阪神ファンがいると思ったんだけど、雨だから足が鈍ってるのかね」と残念そうだが、
「この壁の向こうにあの選手たちがいるのかと思うと、興奮するね。(阪神の)ボーアがすごく打つらしいから、
早く生で見たい」と気持ちはすでに試合に向いていた。
(略)そうこうしているうちに、巨人が同点に追いついた。今度は大歓声があがり、となり同士でハイタッチする人たちもいる。
記者も楽しんではいたものの、横浜DeNAベイスターズファンゆえ、
同じほどには盛り上がれない。ふと彼らがうらやましくなった。
 スポーツバーで飲みながら、最後まで観戦といきたいところだが、あいにくの
満席だ。立ち見で長居しては店に迷惑である。もう一度東京ドームへ戻ることにした。(略)
「悔しいですね。明日の試合もここに来ます」
 そう言い残すと、福山さんは足早に球場を後にした。勝利の美酒も、敗戦の悔しさも、プロ野球が開幕してこそ味わえるものだ。取り戻しつつある日常の喜びを、いま、全国のプロ野球ファンがかみしめていることだろう。ふとスマホを見ると、横浜が1対5で敗れていた。悔しいが、気分は晴れやかだ。
「明日は必ず勝つ!」
そう心につぶやいて、記者も球場を後にした
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d78ff5e4be6d9b0ab795c9ff43057a0e1232911?page=4