バッタの襲来相次ぐ東アフリカ、第3波へ備え 数十億匹がふ化へ
2020年6月20日 23:44 発信地:ナイロビ/ケニア [ ケニア アフリカ ]

【6月20日 AFP】深刻な蝗害(こうがい)に見舞われた東アフリカ地域では、
新たに数十億匹ものバッタが間もなくふ化するとみられ、バッタ襲来の第3波に備えている。
豪雨や新型コロナウイルスの流行により同地域はすでに打撃を受けており、
さらに食料供給まで脅かされる事態となっている。

 東アフリカでは2019年後半以降、記録的な数のバッタが襲来。
バッタの繁殖に適した気象条件が重なったことで拍車が掛かった。
殺虫剤を用いて一斉に駆除作業が実施されたものの、新たな大群が飛び立とうとしている。
 国際救済委員会(International Rescue Committee)は今月、報告書を発表。
「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ北東部から東アフリカにかけて、
数万ヘクタールの耕地や牧草地がすでに被害を受けた」とし、
小規模な群れでも1日におよそ3万5000人分に相当する食料を食べ尽くし得ると指摘した。
 東アフリカ地域の経済共同体「政府間開発機構(IGAD)」が6月に発表した報告書によると、
エチオピアでは今年1〜4月、130万ヘクタールの牧草地と20万ヘクタール近い耕地が
蝗害に見舞われ、穀物35万トンが失われた。

 だが、新型ウイルスの流行が現地調査の妨げとなり、バッタの襲来の第1波と第2波に対応する
この暫定推計には、被害の全体像が十分に捉えられていない。
 IGADの気象監視プログラムであるICPACのケネス・ムワンギ(Kenneth Mwangi)氏は、
「さらに数字を手に入れるまでは、耕地が最も被害を受けたのは、
間違いなくエチオピアだということしか言えない。次いでソマリアだ」と語った。

 ケニアではここ数か月、豪雨と洪水が相次いで多数の死者が出たが、
ソマリアでも2月に蝗害が発生し、すでに「国家非常事態」が宣言されている。
 これまでのところ、東アフリカ地域に隣接するタンザニアやルワンダ、ブルンジは
バッタの被害を免れているものの、バッタは数十億匹から成る巨大な群れを形成し、
1日に150キロ移動することができる。(以下略)
ttps://www.afpbb.com/articles/-/3289455