病識の障害

病識とは、自分自身が病気であること、あるいは幻覚や妄想のような症状が病気による症状であることに自分で気づくことができること、認識できることをいう。
統合失調症の場合には、この病識が障害される。
多くの場合、ふだんの調子とは異なること、神経が過敏になっていることは自覚できる。
しかし幻覚や妄想が活発な時期には、それが病気の症状であるといわれても、なかなかそうは思えなくなる。
症状が強い場合には、自分が病気であることが認識できない場合もある。

治療が進んで病状が改善すると、自分の症状について認識できる部分が増えていく。
ほかの患者の症状については、それが病気の症状であることを認識でき、判断能力そのものの障害ではないことがわかる。
自分自身を他人の立場から見直して、自分の誤りを正していくという機能の障害が背景にあると考えられている。