>>926
乙です

――アパホテルは新型コロナ軽症者をいち早く受け入れました。
元谷社長:4月初旬、政府から打診されたとき、「この国難に立ち上がらなければ、ホテル業界のリーディングカンパニーは名乗れない」という気持ちで、すぐに軽症者の受け入れを決めました。
社員には常日頃から1番恐いのはパンデミック、2番目に戦争、3番目は自然災害と話していたので、「ついに来たか」と準備ができていた。風評被害があったなか、
1人の社員も受け入れを反対しなかったのは、私の誇りです。(略)
――自粛が続き、ホテル業界は厳しいのでは。

元谷社長:3月の客室稼働率は約50%、4月、5月はさらに厳しいでしょう。でも閉鎖したホテルはありません。アパホテルの累積会員は約1800万人。会員のニーズにこたえるために、赤字でもできる限り営業は続けています。
東日本大震災のときは、電気や水道が止まってもアパホテルは営業を続けました。ほかのホテルが閉まり、路頭に迷っていたお客さまを受け入れましたし、ボランティアには無料で泊まってもらいました。「国境なき医師団」の
方々は、「いつもは野宿だから雨露しのげるだけで幸せ」と大変喜んでいましたね。
それにアパホテルは、赤字でも経営を続けられる体力があります。アパは借金3000億円に対し、資産は1兆3000億円。1年、2年この状況が続いてもびくともしません。このピンチにこそ、シェアを伸ばしたい。
アパホテルの客室数は提携ホテルを含めて10万室を超えましたが、マーケットの
シェアはまだ10%くらい。代表(元谷外志雄氏)は「資本主義の世界では、
どの産業も百花繚乱期から寡占化、そして独占化へと形態が進む」と言っています。
今、ホテルは百花繚乱期。どこかがシェア20%を取ったときから寡占化が始まる。私たちは、この機に寡占化一番乗りを目指しています。
――これまでもアパホテルは数々のピンチがありました。
元谷社長:2007年には耐震強度不足問題に巻き込まれました。心配した銀行から融資を全額返すよう言われ、マンションの建設予定地をいくつも売り払いました。ちょうどファンドバブルの最中、高値で売り抜けたらリーマン・ショックが起きて、地価が暴落。
それで今度は都心の一等地を底値で手に入れ、躍進のきっかけになっています。
それから2017年1月に、アパホテル客室に設置している『本当の日本の歴史 理論近現代史』について、南京大虐殺を否定するものだとして批判的に取り上げる動画がインターネット上にアップされたことをきっかけに、
中国政府によってアパホテルは中国国内から予約ができなくなりました。
中国からのお客様は日本に来てからの予約となりますのでごく僅かとなりましたが、上記のいわゆる「書籍問題」以前から、日本人を含む
全国の宿泊者数に対して特定の一カ国の海外顧客が全体の1割を超えないように
リスクコントロールしていたことから、その影響を最小限度に抑えることができました。
新型コロナは、これまでで一番大きなピンチです。第2波、第3波も心配で、コロナとは長い付き合いになるでしょう。さらにマスコミは客観的なデータを示さずに不安を煽るので、世間は「羹に懲りて膾を吹く」状態。
自粛がいきすぎて、萎縮になってしまってはいけません。経済を回さなければ給料も税金も払えなくなります。
軽々しく「ピンチをチャンスに」とは言えませんが、これまでも幾多なピンチをチャンスに変えてきたのだから、私たちはコロナなんかに負けてはいられません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e29ada57447c5267713e9a0df48d996a6f1f5ace