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大多数は平和的 暴動に一線、募る怒り 米抗議デモ
時事通信 6/2(火) 7:16配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060100688&;g=int

 【ニューヨーク時事】抗議デモの本当の目的が奪われているようだ―。
米中西部ミネソタ州で黒人男性が白人警官に首を圧迫され、その後死亡した事件を機に
全米に広がった人種差別や警察の暴力への抗議デモ。暴徒化した一部の集団による
放火や略奪が注目されているが、実際にはデモ参加者の大多数は平和的だ。
参加者は暴動とは一線を画しつつ、デモ隊に力を行使する警官への怒りも募らせている。

 デモが連日行われているニューヨーク市ブルックリンの屋内競技場バークレイズ・センター
周辺では5月31日、ショーウインドーが割れた店や、略奪対策として、窓ガラスに板を
張る店があり、混乱の爪痕が残っていた。集まった数千人のデモ隊はこの日、
同センターの周囲を練り歩き、手を挙げ、「撃たないで」と叫びながら行進した。

 近くを通る車両はクラクションを鳴らして連帯を示し、沿道の住宅の窓やベランダからは
住民の声援が上がる。暴動とは無縁のような光景だ。しかし、時折一部が警官とにらみ合いになり、
ペットボトルが警官隊に投げられると、参加者からは「やめて」という声も漏れた。

 ニューヨーク市では連日複数の場所でデモが行われている。夜になると過激化する傾向があり、
30日夜には350人近くが拘束され、警官30人以上が負傷した。31日夜も放火が起きている。
米メディアによると、これまでに高級ブランドのシャネルの店舗なども略奪の標的になった。
教師の黒人女性(23)は「暴徒化する人は、抗議者ではなく、この機会を利用して、
暴力を振るいたいだけ。(黒人の命も大切と訴える)抗議デモの本当の目的が
奪われているように感じる」と語った。

 一方、ブルックリンで30日に行われたデモで、デモ隊と対峙していた警察車両が、
群衆に突っ込む動画が拡散。デブラシオ市長は「数百人のデモ隊が自分に向かって
集まってきたらどう思うか想像してほしい」と擁護したが、さらなる不信感を生んでいる。

 インド系女性(34)は「警察は平和なデモ隊に車で突入した」と主張し、
「テロ」と非難した。白人女性(30)は「警察は処罰を受けることなく暴力的でない
デモ参加者をたたき、催涙ガスを発射している。そうなったら抵抗する人もいる」と指摘。
「暴力というけど、私たちは武装した警官と違って、段ボールしか持っていない」
と語り、威圧的な警官に問題があると訴えた。