※自治体から報道するメディアまで全てに変更が求められるのです。

新型コロナと災害 〜避難環境を考える〜 「分散避難」の検討が急務
東京大大学院客員教授 松尾一郎氏
2020/6/7 14:30 (JST)
https://this.kiji.is/642207278406812769

もともと、日本の避難所環境は劣悪。
数百人が体育館などに密集し、床の上への雑魚寝になる。
トイレのスペースが小さく、数が少ない。仮設トイレを含め、衛生上よくない環境だった。

新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中、大雨や台風、地震が発生したとき、自治体が開設する指定避難所における感染拡大をどう防ぐか。
感染リスクが高まるとされる「3密(密閉・密集・密接)」状態の中、防災対策と感染予防を両立させた避難所の運営のポイントとは何か。

災害で人を死なせない。コロナ感染症に罹患(りかん)させない。避難生活下での関連した病気を極力、防止する−。
コロナ禍の中で災害が発生した場合、最も重要なのは、この3点に尽きる。

れまでの避難所における1人当たりの収容面積は1〜1.6平方メートルだが、感染防止のためにソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保つには、1人当たり4平方メートルが求められる。
避難所の収容能力が従来より3〜4倍多く必要となり、避難所が不足するのは目に見えている。

避難所不足を補うためには、住民の逃げ方を変えることを考えなければならない。「分散避難」の考え方だ。
「動かない避難(在宅避難)」をはじめ、親類や知人宅への縁故避難、ホテルなどへの避難、車中などの青空避難がある。

高齢者や障害者など、災害時に支援が必要な人への配慮も重要だ。
民生委員などが大雨予報時の避難先を事前に聞いたり、避難所や福祉施設に早めに誘導したりしている自治体がある。