https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58817750X00C20A5910M00/
「米経済回復に1年以上」56%、4月FT・米財団世論調査
2020/5/7 19:00 (2020/5/8 1:26更新)

【ワシントン=中村亮】英フィナンシャル・タイムズ(FT)と米ピーター・G・ピーターソ
ン財団は4月23〜27日、11月の米大統領選に関する世論調査を実施した。新型コロナウイル
スの影響から米経済が完全回復するまでに「1年以上かかる」との回答が56%にのぼった。
家計が新型コロナとの長期戦に備え消費を手控える姿勢が強いことも浮き彫りになった。

米国では州ごとに外出制限を段階的に緩める動きがあるが、新型コロナ前の状況には遠い。
大統領選の勝敗を決めるとされる11の激戦州に限ると米経済の完全回復まで1年以上かかる
との回答は61%。全米平均を5ポイント上回った。再選を目指すトランプ大統領は経済活動
の早期再開を各州に促し、経済立て直しを急ぐ。

「米経済に対する最大の脅威」を巡っては、36%が「世界経済の減速」をあげた。3月調査
から4ポイント高く、2月に比べ24ポイントも上がった。世界経済減速で米国内での解雇や
一時帰休(レイオフ)が一段と広がるとの懸念が強まっているようだ。最大の脅威を「中
国やメキシコなどとの貿易摩擦」とする回答は7%と2月から12ポイント下がった。

経済停滞は家計の懐を直撃している。新型コロナで「家計の所得が減った」との回答は69%
と3月(73%)に続き高水準だ。新型コロナの影響への対応として40%が「大型の買い物の延
期」をしており、3月から5ポイント増えた。「旅行計画の中止・変更」も同6ポイント上が
って54%となり、家計が消費を手控えて生活防衛を急ぐ姿が浮かび上がる。

外出制限などの解除の望ましい時期を聞くと、66%が3カ月以内と回答。支持政党別にみる
と共和党支持者の80%が3カ月以内の制限解除を求めた。一方で民主党支持者では55%にとど
まった。全米で外出規制を維持する州知事に対して抗議デモが頻発しており、その多くは
共和党員が主導しているとみられている。