免疫暴走で肺炎重篤化か 新型コロナ、全身臓器に侵入 研究で判明 2020.5.3 21:40

 新型コロナウイルスの患者が重症化するメカニズムが最近の研究で明らかになってきた。
生命を脅かす重い肺炎は、自分を守るはずの免疫が過剰に働くことで起きている可能性が判明した。
ウイルスは全身の臓器に侵入してさまざまな症状を引き起こすとみられ、
詳しく解明できれば治療法の開発につながると期待される。(松田麻希、伊藤壽一郎)(以下略)
ttps://www.sankei.com/life/news/200503/lif2005030074-n1.html

> 免疫の働きを高める「インターロイキン(IL)6」というタンパク質が体内で過剰に分泌されると、
>免疫細胞はウイルスに感染した細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃してしまう。死亡した患者は
>IL6の血中濃度が顕著に上昇していたとの報告もあり、重篤化の一因として指標に使える可能性がある。
>
> 感染初期は免疫力を高める必要があるが、重篤化すると逆に免疫を抑える治療が
>必要になるとみられる。そこで有望視されるのが、中外製薬のIL6阻害薬「アクテムラ」だ。
>
> 関節リウマチなどに使う薬で、同社は新型コロナ向けに治験を行う。平野氏は「新型コロナは
>免疫の暴走を抑えられれば怖くない病気だと思う。治験が効果的に進むことを期待している」と話す。

> ウイルスの表面にはスパイク状の突起がある。鍵と鍵穴の関係のように、これが
>細胞の受容体とぴったり合うとウイルスは侵入して増殖し、その臓器に炎症などが起きて病気になる。
>
> 鍵穴となる受容体はウイルスの種類によって異なり、
>新型コロナは「アンジオテンシン変換酵素(ACE)2」という物質だ。
>国立感染症研究所の元室長でコロナウイルスに詳しい田口文広氏は
>「この受容体は呼吸器や鼻腔(びくう)、口腔、腸管などいろいろな臓器の細胞に存在する」と指摘する。

新型コロナの仕組み
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