コロナ感染者が謝罪、日本だけ? 「悪者認定」がもたらす致命的問題
2020/5/3 07:00 (JST) ©株式会社全国新聞ネット

 新型コロナウイルスに感染した有名人に対するバッシングがSNSで繰り返されている。
感染者を責める対象は、有名人に限らない。人をたたき、「謝罪」を求める強い衝動は
どこから生まれるのか。社会心理学が専門の三浦麻子・大阪大学大学院教授は、
日本は他国と比較して、感染は「本人のせい」と捉える傾向が強いという。
感染者を責めることは、道徳的問題にとどまらず、致命的な結果を招く恐れがあるとも話す。
三浦さんに昨今の風潮を読み解いてもらった。(以下略)
ttps://this.kiji.is/628762967745709153

> 感染者のように本来「被害者」のはずの人を過剰に責める行為は、
>新型コロナウイルス禍でなくとも頻繁に生じている。通り魔被害に遭った女性が
>「深夜に出歩く方が悪い」などと責められる事案がそれである。

> また、これまでの筆者らの研究では、日本人は欧米人と比較すると「悪い人が不運な目に遭うのは
>自業自得」と考えやすいことも一貫して示されている。筆者らが3月末に日米英伊の4カ国で実施した
>ウェブ調査でも、新型コロナウイルス感染を「本人のせい」とする傾向が他国よりも強かった。
>それが何に由来するにせよ、日本には「悪者なんだから謝れ」が許容されやすい風土があるようだ。

> 「にんげんだもの」だからこそ、またそれが容易に増幅されるような社会に生きているからこそ、
>筆者は強く主張する。感染者を責めてはならない。それはなぜか。
.感染者に謝罪を求め、彼らを悪者認定することは、
>感染拡大を抑える働きがないどころか、むしろ拡大させる危険性をはらんでいるからである。