太陽光でコロナ不活性化と結論の研究、米政府が自然光で実験と主張
2020年4月29日 18:44 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ]

【4月29日 AFP】米ホワイトハウス(White House)が先週発表した、
新型コロナウイルスが太陽光によって急速に不活性化するとの研究結果をめぐり、
米国土安全保障省は28日、実験では正確に自然の太陽光を再現したとする研究の詳細を明らかにした。

 発表された研究結果の概要には大きな期待が寄せられた一方、
一部の専門家からは、より包括的な報告が公表されるまで慎重になるべきだとの声も上がっていた。

 国土安全保障省のウィリアム・ブライアン(William Bryan)氏は先週の記者会見で、無孔質の表面にある
ウイルスの量は、温度21〜24度および湿度80%で太陽光があると、わずか2分で半減すると説明。
 空気中に漂うウイルスの量についても、
通常の室温・湿度20%の環境に太陽光が当たると、わずか1分半で半減すると述べた。

 米コロンビア大学メディカルセンター(Columbia University Medical Center)の放射線研究センターで
所長を務めるデービッド・ブレナー(David Brenner)氏によると、太陽光に含まれる紫外線の多くは
紫外線A波(UVA)に分類され、UVAは日焼けや肌の老化の原因となるが、ウイルスに有害であるとは
一般的に証明されていないため、発表された研究結果に専門家らは驚いているという。
 一方で紫外線の一つであるC波(UVC)は、
動物細胞やウイルスの遺伝物質を傷つける性質が特に強く、殺菌ライトにも広く使用されている。
しかし、大気に吸収されるため、地上に到達する太陽光内には存在しない。

 今回の研究の指揮を執った国土安全保障省の科学者ロイド・ハフ(Lloyd Hough)氏は、
研究で使用した紫外線ライトの種類について「自然の太陽光に近いものに設定した」と説明。
具体的には、北緯40度や大西洋中央部などの中緯度地域において、
立夏の正午ごろに海抜ゼロ地点でみられる太陽光を想定したという。

 また国土安全保障省の報道官によると、
ステンレス鋼の表面上に付着した疑似唾液の飛沫(ひまつ)でも実験が行われた。
研究論文は間もなく査読され、科学雑誌に掲載されるという。(c)AFP/Issam AHMED
ttps://www.afpbb.com/articles/-/3280924