これが罪務相のトップだ!

日本の財政が理解できてない人に伝えたい現実
「絶対に安全だと言える根拠は何もない」

真山 仁 : 作家 財務事務次官岡本 薫明
https://toyokeizai.net/articles/-/344476

岡本 薫明(以下、岡本):私たちが財政再建の必要性を訴えるとき、「借金を増やすと利払い費が増え、ほかの予算支出を圧迫します」とか
「民間の資金を国が取ってしまうので、クラウディングアウト(市中金利が上昇して民間の資金需要を抑制すること)が起きます」などと、
財政学の教科書どおりに説明しますが、2010年代前半の欧州債務危機では、ギリシャなどで違うことが起きました。

岡本:ギリシャの国債を金融機関が保有していて、その国債の格付けが悪化すると金融危機になってしまいました。日本もかつて
金融危機になったとき、例えばりそな銀行へ2003年に約2兆円の公的資金を投入しましたが、そのとき、「この2兆円は国債発行によって
調達しているが、大丈夫なのか」という話にはならなかったですね。しかしギリシャでは、財政危機によって金利が上がってしまったために
国は借金をできず、結果、公的資金で金融機関を救うこともできなくなりました。

マーケットはそれを先読みして、一段と金融機関の株を売り浴びせ、追い込むというようなことが連鎖的に起きました。それがヨーロッパ中の
債務危機につながってしまったわけです。先ほどおっしゃったように、確かに日本国債の多くは国内の金融機関が持っているのですが、
グローバル化した経済の下での財政危機は、財政学に出てくるオーソドックスな話とは違うものになっています。